2015年 08月 25日
「会津物語」 |

奥会津から新しい本が生まれました。
2011年8月から3年間、朝日新聞福島県版に連載された「会津物語」をまとめたものです。
キツネにばかされた話、どこからともなく現れ消える白い鳥、誰もいない廃校に響く声……
会津学研究会のメンバーが地元の人たちを訪ね、聞かせていただいた話はすべて『実話』。
その中から100篇を収めました。
奥会津書房代表の遠藤由美子氏の「あとがき」から
それらはまるで、時間と時間の隙間にするりと滑り込んで垣間見た「異界」のようにも映った。時間と空間、森羅万象と人間との異界がきわめて曖昧な場所で、物語は実在していた。その時間の隙間で、キツネも天狗も人間も、同じ地面を共有して生きている。
自然のダイナミズムの前で人間は非力であること、人間も自然の一部であり、キツネよりも人間が偉いわけではないと、自然のありようを深く認識していた人たちだけが滑り込むことのできる場所のようだ。
不思議の背景にある自然との深い関わりへの憧憬は、同時に、その精神性が失われていく喪失感と危機感も露にした。だからこそ『会津物語』がその精神を繋ぎとめるかすかな希望になってほしいと願っている。
「会津物語」赤坂憲雄+会津学研究会 編著 (2015年8月 朝日新聞出版)
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by wildrose53
| 2015-08-25 08:38
| 3.11以後