2012年 06月 29日
手で! |
先日、里帰りしてきました。4月に行ったばかりですが。
父の丹精している?庭もすでに『森』状態。
一緒に行った夫は「すごい草だな……」
会津の家ならゼッタイにゆるされない。ふっふ。ああ落ち着く。
行くたびに「どうだい、よくなっただろう」と自慢げな父。
いつ行ってもどこがどのように変わったのかまったくわからないのですが
うん。いいねえ、と一緒に歩くよい娘です。
いつか。ゆっくりこの庭の手入れをしたい。
さて。
前回、長い記事をお読みくださった方、コメントをくださった方、ありがとうございました。
おかげさまですこし毒が抜けたようで、なにやらすっきりした気分。
今日は口数少なめで^^;
実家にあった籠を撮ってきました。
品市で求めたもの。バルト三国は素朴で美しい手仕事の宝庫。いつか私も行ってみたい!
この民芸品市のことを素敵な記事でご紹介くださっています。こちらもぜひ。
⇒ 「ラトヴィア フォークロアの旅-森の中の民芸品市‐」
「アレクセイと泉」ではおばあさんがじゃが芋を入れて運んでいた。我が家でも大活躍。
これは旅の途中で見つけた。
投げ入れたい。ばあちゃんには「なんだ、こんなヨコビツ(歪んでる)」と笑われました。
会津に帰ると、家にはこんな籠もあった。
夫が普段着入れに愛用しています。10年ほど前までこの籠を編む人がいて、その後
しばらく絶えていたのが、最近になってまた編む人が現れたとのこと。嬉しいことです。
る縁は持ち運びが楽で気に入っています。残念なことに、この籠を編んだ方はもういま
せん。『正統派』ではない、こんなおおらかな手仕事も好きです。これは楕円形の籠。
うっかりすると物置と化してしまう『織りの部屋』の隅っこに
染めた糸やからむしの繊維などがぎっしり詰まった籠がたくさんあります。
以前はこの時期ともなれば毎日、野山でからむしを刈っていたものでした。
刈って繊維を引いて染めて。
久しぶりに機(はた)に坐りたくなりました。
疲れてくると好きだったはずのことへも気持が向かなくなる。もういいや。今は無理だ。と。
けれどあきらめても何度でも蘇ってくれるのがほんとうに好きなことかもしれません。
やらねばならぬことはあれこれあるけど。
あとからあとからそんなものばかりがぐいぐい迫ってくるけど。
野山へ行こう。手を動かしてなにかをつくろう。
だってそれをしたくて此処に来たのですから!
(写真が多めで重くなってはいないかと心配です。教えていただけたらありがたいです。
また、過去記事のレイアウトが一部崩れており、お見苦しいページがあったかもしれません。
申し訳ないことでした。修正しました。)
籠の写真2枚目、「ベラルーシの籠」について、少し。
1986年4月26日。チェルノブイリ原発(旧ソ連・現ウクライナ共和国)の爆発事故。
放射能は北半球全体に広がり、特に隣接するベラルーシ共和国は
高度の汚染地帯となりました。
映画「ナージャの村」(監督・本橋成一)の舞台・ベラルーシ共和国ゴメリ州ドゥヂチ村は
政府からの立ち退き要請によって地図から消えました。
この映画は、それでも故郷を離れず、汚染された村に残った数家族の暮らしを
美しい四季の移ろいと共に豊かに伝えています。
ご紹介した愛らしい姿の素朴な籠は
この「ナージャの村」で作られました。
その後に撮られた「アレクセイと泉」では、この籠があちこちに登場します。
土を耕し、収穫を祝う。長い冬のために保存食を作る。
畑に、台所に、この籠がありました。
風が唸りをあげて吹き荒れ、窓に雪つぶてが叩きつける冬。
糸を紡ぎはたを織るおばあさんの傍らで、おじいさんがこの籠を編んでいました。
春を待ちわびる人々の表情が胸に沁みて。
この情景は、知っている、と思いました。奥会津の山村の暮らしとそっくりだ、と。
このふたつの映画がDVDになりました。ぜひ一度ご覧ください。
by wildrose53
| 2012-06-29 11:11
| 手の仕事