2012年 01月 23日
はじめての一閑張り |
この一閑張り、名前の由来には諸説あるようですが。
今回作ったものとはまったく違うものを指す「一閑張り」があることを初めて知りました。
木型を使って和紙を厚く張り重ね、型から抜いて漆を塗った茶道具。
この技法を創めた「飛来一閑」の名前をとって「一閑張り」と呼んだとか。
当時も、使われた和紙は書き損じたり不要になった反故紙だったのでしょう。
古い手漉き和紙、撫でてるだけでうっとり。
今回は、ザルに和紙と布と柿渋の一閑張りです。
ザルに刷毛で糊を伸ばし、糊を塗った和紙を少しずつ張っていく。内側を張ったら乾かして外側を張り、また乾かして布や和紙を張り重ねてゆく。乾いたあと、柿渋を2回塗り、完成。これは内側の和紙を一回しか張っていないことに出来上がってから気づいた^^;
←裏側もにぎやかに。
和紙だけでも充分だけれど、布を重ねることで丈夫
さも増す。美しいのは、やはり絹地。艶やかな光沢
が出て透明感ある仕上がり(左側の柿色のザル)。
布は古い着物の端切れなど。柄に合わせて切り抜
いたり、この工程が一番楽しい♪
地味好みのはずが、こういうものはなぜか鮮やかな色調になるのが不思議。実は派手好きだったか。
一番難しかったのが、糊のついた和紙を、刷毛や指で叩き込むように張ってゆく工程。
糊だらけの指先にベタベタくっついてきちゃう。ああ隣りの人の手早いことよ!
「おばあちゃんが一生懸命編んだザルだから
ひと目、ひと目、ちゃんと見えるように張ってあげたいね。
ゆっくりしっかりやりましょう」 先生、いいこと言うなあ。
今は無臭の柿渋があるのですね。昔、手漉き和紙に柿渋を塗ったら臭くて臭くて。
堪らず外に出したらご近所から遠慮がちに苦情がきました。都会だったら通報されてたねぇ。
私のムラ(集落)の風景をひとつ、ふたつ。
無住のお寺。屋根の雪が雪崩れ落ちて山に。それでもまだ壁が見えているので少ないほうなのです。
寺や神社、公共の建物などの雪下ろしは「ムラ人足」で行っています。
ご老人など、出られない世帯は「人足割り」といって、春の精算後、出た人にお金で返す仕組みです。
寒中の「大根干し」。輪切りにしたものを一度茹でてから飴色になるまで干し、水に戻して煮物などに使います。
縦に四つ割りにしたものを干す家も。凍っては溶け、また凍りながらしわくちゃに縮んだ大根干しは、煮ると出汁をたっぷり含んで深い味わいに。
時々晴れ間があって、雪かきに明け暮れないですむ冬。遊ばせてもらって、感謝。
by wildrose53
| 2012-01-23 00:01
| 手の仕事